小寺信良: 「1世代コピー9th」では誰も幸せになれない

 筆者がもう一点気になるのが、この1世代コピー9th方式が私的録音録画保証金制度とセットであるということである。
・・(中略)・・
 権利者会議発の補償金制度不可欠声明を丁寧に読むと、世論の矛先をJEITAへ向けようとしているのがわかる。これまでJEITAは、EPNによるコピーワンス規正緩和に対して、権利者側がテーブルに着かないことを非難してきた。また補償金制度廃止という方針を打ち出し、消費者を味方に付けてきた。このため世論は、権利者憎しの構造へと傾いている。コピー9thはこれを緩和し、権利者側とJEITAの立場を逆転する切り札として使われたのである。
・・(中略)・・
 この議論には、どうやらそういうウルトラCが必要のようだ。このまま進めば、おそらく日本全体にとって最悪のシナリオが待っている。